■進化速度の尺度 (evolutionary rate)
あるのは ただ一人の人間が生み出した狂気。

境界者を人工的に生み出すこの行為は、驚くべきことに、儀式として古き時代より行われてきた。ある種のアルカロイド系植物を用いて、精神に幻覚作用による抑圧を与えることにより、生じる現実世界の崩壊、そしてこの世の理を逸した化け物が生まれるのである。

Damm因子
癌遺伝子もしくは成長遺伝子により転移し、人間の意識や存在値の変化を活性化させ、与える因子。遺伝子治療の際に与える効用は大きく、多様に用いられた。しかし投与の初期段階には強い幻覚作用を引き起こすため、感受性の高い者は発狂、ショック死を起こす可能性が高い。『短命種』などの奇病や『ダーウィン化現象』を発生させた。

ダーウィン
Damm因子の投与により変化した人間のこと。人工的に作り出された、後天性の境界者。当初はガン治療の特効として注目されたが、被験者の半数以上の者が精神に異常をきたすために、今では実用化の見込みはない。Damm因子を投与した場合、被験者は強度の幻覚作用から特定インパルスの伝達に狂いを生じ、自我構成意識は崩壊する。彼らの多くは痛みや恐怖として受けるべき感覚判断力を失っているために、人間として持つ最大限の能力を発動することができる。しかしそれゆえに彼らの持つ残虐性は強く危険であるとも云える。

ガラパゴス
エセルバート財団によって設立された大脳生理学研究所。日本ではK大学付属病院内に支部が設置され、Damm因子の研究と共に、異質な存在であるダーウィンの行動監視を行っている。非合法の実験も数多く行われているために外部の人間の立ち入りには厳しく、軽侮を込めてガラパゴスを模したのが始まり。

ハンター
自我構成意識の崩壊が激しく、社会的にも危険と判断されたダーウィンの処分をガラパゴスの指示により行なう者。

Fuse【フューズ】
『融合したるもの』の意。

SIDE BY SIDE Damm=健康を取り戻す