その人当たりの良さから一見とぼけた印象を受けるが、彼を甘く見た者はやがて後悔するだろう。ウィリクの勢力を失わぬためにいかなる手段をも用いるという、父王のやり方に深い嫌悪の念を抱き魔術師ビソウの元へと通うが、ビソウの死後、王位についた彼は人の変わったかのように先王と同じ道を選ぶ。リー・オー・ダンより連れ帰ったレイスを宰相として城に迎え、後年は息子アスランに王位を譲り渡すと北の居城ルーアンに引きこもる。

ハスラム卿の妻。気丈で、女ながらに優れた剣の使い手でもある。

ゲアラックの戦いに於いて左腕を失った際、吟遊詩人セルヴィスにより命を救われる。しかし吟遊詩人が上王に敵対する『沈黙の神々』であることにより、己の命は汚されたとして弟アスランに王位継承権を譲位した。彼がようやく王位を受けたのは、アスランが城を去った後のことである。

吟遊詩人セルヴィスの導きで魔剣ブリオングロードの所持者となり、光王シオンの眠りを解いた人物。記憶を失ったシオンの友として支えとなった。兄アーヴァスに王位継承権を譲位され一度は王となるものの、後に王位を捨てシオンと共に旅に出る。戦いにおける雄々しさとその誠実さから、ウィリクにとどまらず広く『真王』と呼ばれる。

アスランの妹で、エアンの婚約者。豊富な知識と優れた判断力を持つ彼女は、ウィリクにとってなくてはならない策士となっている。後にエアンとの婚約を解消し、タリエンの妻となる。

アトウィルのもとに仕えるファルスト家の当主。口数が少なく堅苦しい言い回しを常とする。規律に非常に厳しく、アトウィル王に対しても注意を促すほどである。若くして死亡する。エアンの父。

ウィリクの方伯で、アトウィルに仕えるハスラム家の当主。ロスロント卿とは対立を繰り返している。立派な髭を自慢とする。悩み多き彼の眉間の皺は、年中消える事はないらしい。

ウィリクの方伯、ロスロント家の当主で、グレティアの祖父。ハスラム卿と対立を起こす。非常に要領の良い人物。

ウィリクの文官で、アスランの教育係を努める。母親がローグ出身であるために、ウィリク人には珍しく黒い髪と瞳を持つ。非常に几帳面な性格。後にレイスの後を継ぎ、宰相となる。

ウィリクの剣士で衛士長。乳兄弟ということもあってか、アスランからは最も気のおける相手とされている。だが血の気の多いこの二人が暴走すると、もはや誰にも手におえぬという話も。

ファルスト卿の嫡男で、風弓を得意とするウィリクの衛士。アスランの下に仕える。穏やかな人物であるだけに、彼の怒りを招いた者は己の暴挙の程を痛恨すべきであろう。同じくアスラン付きの衛士であるタリエンとは長年親しく行動を共にしているが、およそ共通点の見られないこの組み合わせに周囲は困惑の眼差しを向ける。服装に関してはかなりのこだわりがあるらしく、大抵は洒落た帽子を身につけている。後に父の跡を継ぎ方伯となる。アリシアの婚約者。

ウィリクの衛士で、アスランの元に仕える。大柄な体躯を持ち大剣を扱う、寡黙な人物。エアンの友人。

ハーク・ロスロント卿の一人娘。後にレギオンの元へ嫁ぎウィリク王妃となる。息子ヴァルストークを王位につけるためファレルを暗殺するが、魔導師リスティスの力によって自らも命を失う。レギオンの愛が自分に向かず、フレイアの元にあることに嫉妬していた。

スマの村に住む高名な薬師。記憶を失い行き倒れていたレイスを助け、薬師としての技術を教え込んだ。レイスの正体について、薄々感づいている。

ゼルトの街の薬師。ヤナート家はこの街で代々薬師をしてきた。パルーシアの名声に嫉妬している。自信家で、以前に彼女には酷く振られている。